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中高年離婚においては、子供の問題よりは、退職金や年金をどのように分けるかという別の問題が発生します。
退職金が既に支払われて預金などに変化している場合に、これが財産分与の清算の対象となることにほぼ異論はなく、退職金の維持形成に寄与した同居期間中の配偶者の協力を評価して算定されるということになります。
すなわち、退職金額×(同居期間÷労働期間)が清算対象額となります。
問題となるのは、将来の退職金の財産分与対象性とその算定方法です。
将来受領できるとされる退職金は、その有無や額が、将来における企業等の存続・経営状況、本人の退職時期・退職理由等さまざまな不確定な要素によって左右されるため、そもそも清算の対象にしてよいのか、清算の対象になるとしてもその算定方法をどうするのか、が問題となるのです。
☆ 裁判例の一般的な傾向−「近い将来に受領できる蓋然性がある場合」は財産分与の対象となるとしています
・ 東京地判平成4・7・22(未公表)は、夫が退職まで5年弱の期間を残していて、退職金の支給自体が将来の不確定な要因に左右されるものであるから直ちに算定の基礎にすることはできない旨を判示しています。
一方、退職金支給まで6年や7年の事案、公務員では9年先に支払われる事案であっても、蓋然性が高いとして、その清算を認めた裁判例もあります。
この点に関する裁判例は確立されてはいないのですが、公務員などのような受領の蓋然性が高い職種では、5〜10年先であっても財産分与の対象となる可能性があると言えます。
☆ 算定方法−裁判例は、「個々の事案ごとに応じて公平な方法を選択」しているようです
・「離婚時に清算する」
将来受領できる退職金のうち婚姻同居期間に比例する額を算出して、中間利息の控除をして現在額に評価して、これを離婚時に清算するとした裁判例があります(東京地判平成11・9・3)。
この離婚時清算は、一括払いできる資力がある場合で、調停や和解などでよく採られる方法です。ただし、中間利息を控除するため、控えめな額になりがちであると言われています。
・「支給時に支払えと将来の給付判決をする」
裁判例は、将来の給付につき金額を算定明示するものと、金額を明示しないで割合を示すものとに分かれています。
この退職時清算支給を命じるものは、現時点では資力がなくても清算できるという長所はありますが、勤務先から連絡がない限り退職時期を知ることが出来ず、配偶者の任意の履行に期待するしかなく、支払の確実性が低いという欠点もあると言われています。
また、退職前に義務者である配偶者が死亡した場合には、勤務先の規定による死亡退職金の受給権者に対して、元配偶者が支払を請求できるかという問題も生じます。
以上
被害者が、加害者側と示談交渉をする際には、交通通信費・宿泊費等の出費や日当、あるいは依頼した弁護士謝礼等を要することが多くあります。
このような示談交渉経費は加害者に請求できるものでしょうか。
一般論としては、こうした示談交渉経費は、通常要すべき範囲ではこれは当事者各自の負担・コストとすべきが常識的で、また法律論的には相当因果関係がある通常生ずる損害であるともいえないので、その損害賠償請求は認められないとされており、裁判例もほぼ同様な考え方をしていると言えます。
よって、被害者側の指定する場所や日時に交渉が持たれたような場合は、原則として示談交渉経費は各自負担になるといえますが、当事者が遠隔地に居住しているとか、加害者側の態度が常軌を逸しているため通常は不必要な交渉の負担を被害者が負ったとき等などでは、その請求が認められる場合も出てくると考えられます。
被害者側の弁護士費用も、原則的には交渉時に認められることはなく、裁判になって初めて相当額がその損害として認められるということになります。
示談交渉経費は、例外的にしか損害賠償請求できないということです。
なお、損害立証のための資料取得費用は、通常は損害賠償請求関係費用ということで、原則的にはその賠償が認められており、保険実務でも認めている費目です。
以上
【民法上の原則】
相続放棄は、その旨を家庭裁判所に申述することによってなされるが、この申述は「自己のために相続の開始があったことを知った時」から「3カ月以内」になされなければならない(民法915条1項)。これがいわゆる熟慮期間といわれるものである。
【判例法理】
しかしながら、被相続人の死亡時あるいはその死亡を知ったときから3ヶ月の熟慮期間経過後に、突然、被相続人の多額な債務の存在が判明するようなことがよくあり、その場合に相続放棄ができないとすると、相続人の保護に欠けることになりかねない。
そこで、この熟慮期間の起算点については、以下のような判例法理が最高裁(最判昭和59・4・27)によって形成されている。
・原則
「相続が開始したこと」及び「自己が相続人になったこと」を覚知した時が起算点の原則となる。
・例外的な起算点の緩和
3ヶ月以内に限定承認又は相続放棄をしなかったのが、「相続財産が全く存在しないと信じたためであり、かつ、このように信じるについて相当な理由がある場合」には、「相続人が相続財産の全部もしくは一部の存在を認識した時」又は「通常これを認識しうべかりし時」から起算する。
【近時裁判例による判例法理の拡大傾向】
この判例法理による例外的な起算点の繰り下げは、上記最高裁判例の判示する場合だけに限られるか否かは争いがあるが、近時の裁判例は、相続人の事情、被相続人との交際状況、相続財産の価値、負債額などの種々の事情を考慮して、判例法理基準をより拡大して緩やかに相続放棄の受理を認めるものが多くなってきている。
当事者が合意した過大な離婚給付の請求について、その一部は権利濫用であるとして、合理的な範囲内での履行のみを命じた珍しい裁判例があります。
・東京高判平成2・6・27
事案は、夫は別の女性と再婚するため、居住マンション、預貯金全額534万円余を妻に分与するほか、定年退職するまでの23年間、住宅ローン月6万円、給与からローンを控除した残額の半分、賞与から20万円を控除した残額を妻に支払うという過当な合意を公正証書による財産分与契約で結んでいたところ、離婚後に不履行におちいり、妻が未払分と将来の給付を求めて提訴したというものです。
判決は、過去分と将来のローン返済分の請求は認めましたが、双方の収入や家族数、住居費用などを考慮して、それ以外の将来分の請求は権利の濫用にあたり許されないとしました。
分与されたマンションは裁判時には分与時の2倍以上に値上がりしていたという、いわゆるバブル期の裁判例であり、いつでも同じ様な判断が下されるかは慎重にならざるを得ませんが、当事者の合意があまりに相当でないと判断される場合には、裁判所は、合意内容を十分斟酌しつつ、衡平の観点から、合意内容を変更する場合もあり得るといえますね。
離婚調停(夫婦関係調整調停)において、合意が成立しない場合、家庭裁判所が「調停に代わる審判」をしてくれる場合がありますが(家事審判法24条)、審判告知の日から2週間以内に当事者の一方から異議の申立があると失効してしまうため(家事審判法25条)、渉外事件以外ではあまり利用されていません。
しかし、以下のような場合には、この24条審判の活用がもっとなされるべきではないかと考えられています。
・ 当事者の双方または一方が「判子はつきたくないが、裁判所が審判という形で調停解決案を示してくれるのであれば従う」などと言って、審判で解決することを希望しているような場合
・ 感情的な理由などにより合意はせず、また明示的には審判を希望するわけではないが、実質的、黙示的には審判という形式によって示された調停解決案に応諾したい意向が、当事者の双方または一方に看取される場合
・ 離婚することなど紛争の大筋では合意に達しているが、財産分与の額、子の養育料などの付随的、付帯的事項の取り決めについて意見の不一致があるにすぎない場合
・ 調停機関がなした事実の調査や鑑定とか検証などの証拠調べ、あるいは当事者の証拠収集活動により、紛争の実情が十分に解明されていて、これらの成果をふまえ調停をした裁判所の見解を示しておいたほうがよいと思われる場合
・ 当事者からの意見の聴取やそれにもとづく調停解決案の提示と説得などの調停活動がなされ、それまでの調停機関や当事者の労力、費用、時間などが調停不調で終わってしまっては徒労に帰してしまうので、手続経済の観点からも、また当事者に一大決心を促し転進の機会を与えるためにも、審判をすることが有効と考えられる場合
・ 遠隔地居住、勤務上の都合、病気、感情的反発、無関心、怠惰などにより、当事者の一方または双方が調停期日に出頭しないため、合意が成立しえないが、実質的は紛争がないとか、調査官による事情や意向の調査が充分になされていて、審判が有効と考えられる場合
離婚訴訟のほとんどは、別居に至った夫婦間で行われます。
不貞をした夫から出て行けと言われて、子供を連れて他県にある実家で生活するようになった妻は、離婚の訴訟を提起する場合にはどこの裁判所に起こせばいいのでしょうか。
● 夫婦どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所に提起する
離婚事件の管轄裁判所は、夫または妻が普通裁判籍を有する地を管轄する家庭裁判所の管轄に専属しますので(人訴法4条1項)、夫婦どちらかの住所地を管轄する家庭裁判所に提起することになります。
ということは、先に訴えを提起する者が、管轄的には自分に有利な家庭裁判所を選択できるということを意味します。
● 裁判所が最適地を選択して移送することがある
となると、不貞をした夫が、妻を追い出した後に、自宅住所地を管轄する裁判所に妻に対する離婚請求訴訟を提起することも土地管轄があるので可能ということになってしまいますが、この結論は公平を欠きます。
このように、いかにも公平を欠くような提訴がなされた場合においては、裁判所は人訴法7条の規定(遅滞を避けまたは衡平を図るための裁量移送を認めた規定)や人訴法31条の規定(移送にあたっては未成年者の子の住所を考慮しなければならないとの規定)にもとづき、事件を妻の住所地を管轄する家庭裁判所に移送することがよくあります。
但し、以下のように移送が認められなかった事案もあります。
● 移送が認められなかった裁判例(東京高決平成17・12・9)
離婚調停中に、一方の配偶者が未成年者である長男を連れて一方的に別居し、その直後に他方の配偶者が離婚訴訟を自己の住所地の家庭裁判所に提起した事案において、原審は人訴法31条7条の規定にもとづき移送を認めましたが、抗告審はかかる事案で移送を認めると「人訴法31条を根拠として同法7条の適用を求めるため特段の事情もないのに未成年者を実力で他の住所に伴うという事態を容認することになりかねない」という理由(危惧)で原審の移送決定を取り消しました。
生命保険金は、生命保険契約に基づき、保険金受取人に発生する権利ですから、相続開始時に被相続人に帰属していた財産ではなく、よって遺産には該当せず、また遺贈や生前贈与とも評価できませんから、特別受益にはならないというのが原則です。
しかしながら、生命保険金を度外視すると、相続人間の公平を著しく欠くような事案もあり、従前は、そのような場合に特別受益として持ち戻しを認めるかどうか、審判例は分かれていましたが、下記最高裁判例が判断基準を示したことにより、考え方の道筋がつきました。
● 最決平成16・10・29 民集58巻7号1979頁
その結論−特段の事情が存する場合には、民法903条の類推適用により、保険金請求権は特別受益に準じて持ち戻しの対象となる。
(判例要旨)
・ 養老保険契約に基づく死亡保険金について、民法903条1項に規定する遺贈又は贈与に係る財産には当たらないと解するのが相当である
・ もっとも、上記死亡保険金請求権の取得のための費用である保険料は、被相続人が生前、保険者に支払ったものであり、保険契約者である被相続人の死亡により保険金受取人である相続人に保険金請求権が発生することなどにかんがみると、保険金受取人である相続人とその他の共同相続人との間に生じる不公平が民法903条の趣旨に照らし到底是認することができないほどに著しいものであると評価すべき特段の事情が存する場合には、同条の類推適用により、当該死亡保険金請求権は特別受益に準じて持ち戻しの対象となる
・ 特段の事情の有無については、保険金の額、この額の遺産の総額に対する比率のほか、同居の有無、被相続人の介護等被相続人との関係、各相続人の生活実態等の諸般の事情を総合考慮して判断すべきである
● 持ち戻しの対象となるとした場合の「持ち戻し額」
取得した保険金全額、支払済みの掛金額、死亡時の解約返戻金相当額等、いろいろな考え方がありますが、上記最高裁決定以後の判例では、取得した保険金全額とするものが多いようです。
裁判離婚において、離婚請求が認められるかどうかは、一に裁判官から当該婚姻が「破綻」していると認定してもらえるかどうかに係っています。
判例のいうところの「破綻」は、普通の言葉としての「破綻」よりも厳しく、相当な期間にわたり別居していて双方に交流もなく、離婚訴訟が提起されていても、いまだ破綻には至っていないとして、有責配偶者からの離婚請求でなくても、離婚が認容されないような事案があったりします。
「別居」は破綻の徴表の一つですが、別居状態であれば必ず破綻が認められるものでもなく、何年別居していれば破綻が認められるかどうかの基準もありません。
一般論としては、婚姻中における両当事者の行為や態度、婚姻継続の意思の有無、子の有無、子の状態、双方の年齢、健康状態、性格、経歴、職業、資産収入などの、当該婚姻関係にあらわれた一切の事情を考慮して「婚姻を継続し難い重大な事由」の有無を判断するのだと言われていますが、どうもいまいちはっきりしません。
裁判官は、どのような思考プロセスで「婚姻破綻」を認定しているのでしょうか。
この点に関する私の考えは以下のようなものです。
☆ 裁判官は、婚姻破綻を「信義則」を適用して判断している
有責配偶者からの離婚請求に関する最高裁法理を示したことで有名な昭和62年大法廷判決(最大判昭和62.9.2)は、離婚請求(権)に関して、以下のような一般論を展開しています。
「思うに、婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯な意思をもって共同生活を営むことにあるから、夫婦の一方又は双方が既に右の意思を確定的に喪失するとともに、夫婦としての共同生活の実体を欠くようになり、その回復の見込みが全くない状態に至った場合は、当該婚姻は、もはや社会生活上の実質的基礎を失っているものというべきであり、かかる状態においてなお戸籍上だけの婚姻を存続させることは、かえって不自然であるということができよう。
しかしながら、離婚は社会的・法的秩序としての婚姻を廃絶するものであるから、離婚請求は、正義・公平の観念、社会的倫理観に反するものであってはならないことは当然であって、この意味で離婚請求は、身分法をも包含する民法全体の指導理念たる信義誠実の原則に照らしても容認されうるものであることを要するものといわなければならない。」
この最高裁判決の示した一般論は、有責配偶者からの離婚請求の可否についてのものとしてのみならず、一般的な離婚請求の可否についての判断基準としても論じたものであるといえると思います。
☆ 「別居」と信義則の関係
実際の訴訟において婚姻破綻の認定の中核となるのは、相当期間の別居です。
相当な期間の別居が継続している場合は、それだけで婚姻破綻が事実上推定できるからです。
しかし、客観的に別居している年数だけで判断されるわけではありません。裁判例は別居に至る原因を考慮して離婚の可否を判断しており、離婚される側の有責性が比較的に高い場合は別居期間が短くても認容される傾向があり、反対に離婚請求する側の有責性が高い場合には、別居期間が長くても認容されない傾向にあります。
離婚訴訟の実際において、別居期間のもつ意味はとても大きいのですが、信義則的に考えるとそれは副次的なものにとどまるのです。
☆ 的確な主張と証拠の確保が大事
婚姻破綻の認定が「信義則」規範の適用領域だとすると、有責配偶者からの離婚請求事件のみならず、一般的な裁判上の離婚請求事件でも、その主張の的確性如何とちょっとした証拠の確保の有無によって結論が大きく変わってくることがあり得るということになります。
離婚訴訟は、なかなか難易度が高い手間がかかる訴訟類型といえるのです。
特定社会保険労務士の代理業務の拡大とその限界
■ 代理業務の拡大(紛争解決手続代理業務)
社会保険労務士は、本来、労使間の個別労働関係紛争解決の代理業務は行えないのであるが、近年の法改正により、一定(63時間以上)の能力担保研修を終了して、紛争解決手続代理業務試験に合格して社労士連合会に備え付けた名簿に付記登録をすれば、特定社会保険労務士となり、その後は、以下の紛争解決手続代理業務を行えるようになり、これらの紛争解決手続に平行して行われる和解交渉、和解契約の締結の事務等もできることになって、その代理業務の範囲は拡大した。
・個別労働関係紛争解決促進法に基づき都道府県労働局が行うあっせん手続の代理
・男女雇用機会均等法に基づき都道府県労働局が行う調停の手続の代理
・短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律に基づき都道府県労働局が行う調停の手続の代理
・個別労働関係紛争について都道府県労働委員会が行うあっせん手続の代理
・個別労働関係紛争について厚生労働大臣が指定する団体が行う裁判外紛争解決手続の代理(紛争価額が60万円を超える事件は弁護士との共同受任が必要)
以上の法改正により、紛争解決手続代理業務は特定社会保険労務士に限り行うことができるとされたことから、紛争解決手続にかかる補佐人業務を特定社会保険労務士でない社会保険労務士が行うことは認められなくなった。
■ 代理業務に含まれる事務等の限界
以上のように、特定社会保険労務士が行える紛争解決手続代理業務には「紛争解決手続についての相談に応じること」と「依頼者の紛争の相手方との和解のための交渉」及び「和解契約の締結の代理」が含まれることになったが、それには以下のような限界があり、留意が必要である。
・ 特定社会保険労務士は、紛争解決手続の開始から終了に至るまでの間、あっせん期日等に限定されず、相手方と直接に和解の交渉を行うことはできるが、紛争解決手続外で申請人等を代理して和解契約を締結することは認められない。
・ 紛争解決手続外で紛争当事者間において合意が成立した場合は、紛争解決手続の期日において当該合意を内容とする契約書の作成・締結を行わなければならない。
特定社会保険労務士といえども、その代理業務に含まれる和解交渉、和解契約締結権限については、時期的な制限と手続的な制限が課されているのである。
以上
平成22年度第6回社会保険労務士能力担保研修
「11月6日に行われた東京都1組のゼミナール」の講師説明の補充
1 ゼミナール(答弁書起案・設例2)の小問(1)に関連して
本件では、労働者甲川一郎はそのあっせん申請の申立てにおいて平成18年6月から平成20年6月までの分の時間外手当の支払いを求めてきていますが、そのあっせん申請(請求行為)は平成20年11月7日になされているにすぎず、その時点でようやく時効の進行がストップするので、使用者株式会社Aが答弁書において消滅時効の主張と立証(賃金支払期から2年が経過していること、消滅時効を援用する旨の意思表示をしたこと)をすれば、平成18年10月25日支払分以前の時間外手当請求権は時効で消滅することになります。
要件事実的に言えば、平成18年6月から平成20年6月までの分の時間外手当の支払い請求が「請求原因」、消滅時効の主張が「抗弁」、平成20年11月7日になされたあっせん申請が時効中断事由としての「再抗弁」になると考えられます。
2 ゼミナール(答弁書起案・設例2)の小問(2)に関連して
法律等において遅延利息と呼ばれるものは金銭債務の不履行(遅延)による損害賠償額(遅延賠償)のことですから、遅延利息と遅延損害金は同義です。
異なるのは利息と遅延損害金の概念であり、民法上の消費貸借は無利息が原則で、特に利息の約定をしない限りは無利息契約となるので(民法587条)、約定があって初めて利息請求権が発生しますが、損害金請求権は約定がなくても履行が遅延したことによって法律の規定(民法412条、415条)に基づき発生することになります。いずれも、その利率は、約定があればそれにより、利率の約定がなければ法定利率によることになります。
以上